三斗小屋温泉 煙草屋 歩荷体験
もくじ
1.歩荷について
歩荷というと、
一番有名なのは、伝説の強力「小見山正」だろう。
彼は、1941年8月、重さ50貫(約187.5kg)の展望図指示盤を、白馬大雪渓ルートで登り白馬岳山頂に担ぎ上げた。
超人すぎる!
しかし、
同時代の女性も負けてない。
次の写真を見て欲しい。
(山形県庄内地方の「5俵かつぎ」庄内米資料館)
なんと、米俵5俵を担いでいるではないか!
当人、阿部ナヲ江(70歳)さんが実は二俵は籾殻が入っていたと山形新聞の昭和59年9月29日朝刊において、語ったらしいが、それにしても200kgはあるのでは?
観光用の撮影のために、やったらしいが、この写真撮影時には一歩も動けなかったとはいえ、凄すぎる。
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000254061
阿部さんは、昭和8年~23年まで、庄内の山居倉庫で女丁持(この「丁」とは、300kgかな?)として働き、「最後の女丁持」の一人。
舟着場から1俵(60kg)ずつ背負って倉庫に運び、天井まで25段の高さに積み上げていた。
当然、この仕事に就くには、1俵を担げることが最低条件だった。
2.飛脚について
飛脚
伝説の飛脚、那珂与次郎。
秋田藩初代藩主・佐竹義宣のお抱え飛脚。
秋田~江戸までの約550㎞を6日間で往復していたと言われている。
与次郎稲荷神社(秋田県秋田市)で神として祀られている。
3.歩荷と飛脚についてのまとめ
なぜ、
戦前生まれの人たちは、今では考えられないほどの力を持っていたのか?
燃料としては、「糖質代謝」ではなくて、「ケトン体代謝」が普通だった。
動作としては、「筋力」ではなくて、「骨」を使っていた。
ことが考えられている。
ご興味ある方は、下の参考文献等をご覧下さい。
4.小生の歩荷体験について
さてさて、
小生の歩荷話へ。
那須の三斗温泉「煙草屋」で歩荷割があるとのことをHPで見て、やってみることにした。
電話して確認してみると、スーバードライ350ml24缶とのこと。
重量約9kg。
それで報酬は、宿泊料1000円オフ+スペシャルドリンク。
9kgなら問題なさそうだし、割引等があるなら、なおさら意欲がわく。
どうせ、歩荷するならと、
普段では山に持って行かないようなものもリュックに。
もちろん、夜の宴会飲食も。
それで大体28kgくらい。
1俵にもみたないが、これでGO!
とったルートは、
大沢ゲート→ 三斗小屋温泉跡→ 煙草屋
灼熱が予想されたので、ひよってしまった。
まっ、
歩荷して、長湯ができれば、最高ね☆
大沢ゲート手前まで車でと思ったが、
先行車が戻ってきて、
君の車だと、厳しいよというアドバイスを頂いたので、
素直に、アドバイスを聞き入れて、けっこう前のところに駐車。
まあ、
行けないことはないけど、普通の車では嫌かな。
しかし、
(6年前くらいに来たときの記憶の引き出しを探りながら)
こんなに道が荒れていたっけかと思い、歩きはじめる。
大沢ゲート手前は、5台止まっていて、
その内の1台の二人組が釣り竿をもって出発するところだった。
その二人組の後をてくてく歩く。
三斗小屋宿跡までは、指定車は行けるので、道はとても歩きやすい。
しかし、
少しでも傾斜がつくと、ずっしり重さを感じ、動きが遅くなる。
そして、
太陽がさんさんと輝いており、激暑!
大沢ゲート通過してからものの数分で、汗だらだら。
三斗小屋宿の先の橋までは…と思いながら、
休憩をするかどうか何度も何度も考えながら、一歩一歩と歩を進める。
やっと、見慣れた風景がでてきて、
涼しげに駐まっている指定車たちを横目に、橋へと下る。
沢靴を履いていたので、荷物をバーンして、そのまま那珂川源流へザブーン!
ちょー、気持ち~☆
火照りきった体を冷やし、汗を洗い流す。
そのまま浸かっていたが、すぐに寒くなってきた。
ん?
水温が冷たい。。。
次の日、井戸沢を遡行してわかることなのだが、雪渓がずいぶん残っていて、雪解け水であった。
急ぐ旅ではないので、40分くらいゆっくりした。
いざ、山道へ。
川の水は冷たいが、気温はさらに上がっていたので、すぐさま汗が噴き出してくる。
そして、
やっぱり山道は傾斜があって辛い。
下りだったら、重力に逆らわない骨ステップで楽ちんなのだが、ほとんど上りなので、そうはいかない。(まだ上りで骨ステップができない)
徒渉ポイントでは、ジャブジャブ。
大峠分岐…天界の建物が見えてくる…
なんとか1時間くらいで煙草屋に到着。
温泉と酒と布団の天界へ☆
温泉にゆったり浸かり、外で気持ちよく酒を飲んでいたら、下界の使者ブヨにショバ代を支払うことになるのであった…
歩荷割、とても良い制度だ。
こういう旅館、小屋が増えてくれると、登山もより楽しみが増える。
「山力」を実感することや身体の使い方も、昔スタイル?ハイブリッドスタイル?になって、登山者の体力向上、安全性向上に役立っていくのではなかろうか。
ケトン体代謝や水分を空気中から摂取することも体感して、登山・身体能力を向上させていきたい。
歩荷割、素晴らしい☆
スペシャルドリンクは、お楽しみに!
(※7月11日にヘリコプター荷揚げがあったので、歩荷割は休止している)
参考文献
『ケトン体が人類を救う』宗田哲夫
『「筋肉」よりも「骨」を使え!』甲野善紀、松村卓
参考youtube
https://www.youtube.com/watch?v=wWLfvnmGKII