歩き遍路 17日目・18日目・21日目

930日(木)17日目

黒潮町から土佐清水市まで歩いた。距離は、33km弱なので大した距離では無い。ただ疲労が溜まってるのか、精神的にも弱ってきた。

あれだけ、勇んで歩き遍路に望んだはずなのに、「何で来たんだろう…何でこんなシンドイ思いしなくちゃならないのだろう。」「正直、もう帰りてえ。帰って愛犬とゴロゴロしてえ。」、「家の布団で寝たい。」、「足痛え」、「後何日繰り返すんだろ…」云々と…この気持ちに情けなくなるやら、腹ただしいやら気分は複雑となり、余計に落ち込んでくる。

さすが「修行の道場」。

お遍路道は、旧遍路道で行くルートと国道で行くルートがある。当然、旧遍路道を選択してきたが、連日のように台風やら豪雨やらで旧遍路道は封鎖されて引き返したりと天候にも恵まれないことも、思春期のようにチクチクと心に刺さる。

挙句、雨と猛暑が1時間起きに繰り返され、その中を8時間も歩いたことで体調も崩して、お腹も下してる。

明日は、四国最南端の足摺岬だ。

宿で休んで心身共に回復することを願いつつ、就寝した。

10月1日(金)18日目

土佐清水市の宿にザックを置かせてもらい身軽の状態で足摺岬を一周してきた。

38番札所「金剛福寺」を納めるため、片道20km。ザックが無い分とても軽快だった。
昨日の鬱状態から一転して、気力も回復してきてる。
旅館の夕飯で一緒になったお遍路のおばさんから、
「旧遍路道は、標識もグズグズで迷いまくるし整備が整ってない。お遍路保全協会も間に合ってないんちゃうかね。ただね。それに腹を立ててクレームつけたりする人がおるんよ。でも全ては自己責任。勝手にお遍路回って迷って人様にケチつけてる事自体がお門違いやわ。」
と…本当にそう思う。
今の時代、生き方の標識が多すぎるんだと思う。冷たいようだが、人は迷いながら、困りながら生きていかねばならないと感じた。

104日(土)21日目 晴れ

宇和島市に入り、41番札を目指した。
32kmなんて連日の40km超えに比べたら43番札所の40km先までクリア出来るかなーと、急足で向かっていたら、右足の脛が痛みだした。
30kmを超えたあたりから、酷くなり始めて引き摺るような歩きになってきた。
マラソンランナーに多い、シンスプリントの症状だ。

41番札所「龍光寺」の階段を上がると、ホッとしたのか、気が抜けたのか、全然歩ける気がしなくなってしまった。右足に体重が載せられない。とにかく痛い…。

42番札所は、4.5km先…いつもなら楽勝でいけるはずなのに…時間は、午後14時30分を超えていた。この足だと少なくとも1時間はかかる。近くの宿を探すと、7km手前に見つかった。
でも、この足だとやはり2時間近くかかる…しんどい。
幸い駅が1km先にあり、ひと駅電車で戻ることにした。

自分の不甲斐なさと情けなさが込み上げてきた時、遍路姿の自分に、「きいつけて、頑張ってくださいね。」と、電車内でお爺さんが声をかけてくれた。

記:お遍路さん

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