歩き遍路 34日目・36日目
10月17日(日)34日目
善通寺は、格別に大きい。さすが弘法大師の生まれた場所。
本堂と御影堂が別々にあり、さらには閻魔堂や親鸞堂まである。
そして、毘沙門天の像や500羅漢に五重塔。
足立区にある西新井大師(関東三大寺)の10倍以上ある。
大きさもさることながら、荘厳な雰囲気に圧倒される。
この街全体が、善通寺を中心に造られているように感じ、全てが弘法大師の威光の空気が漂っている。
本来であれば宿坊に泊まってみたかったけど、行程的に難しくお札を納めて次の札所へ向かった。
涅槃の道場…香川県のお寺は、今までと雰囲気が違い神社と併設されているような造りが多い。
79番札所「天皇寺」
山門が鳥居になっていて驚いた。宿についてから調べてみると、やはり廃仏毀釈や神仏分離令などの歴史からお寺を守るためにこのような造りとなっているという。
神も仏も同じように祀られていることに日本の良き文化が感じられた。
10月19日(火)36日目 晴れ
今日は、高松市の83番札所「屋島寺」から87番札所「長尾寺」まで納めた。
門が鳥居になっていたり、86番札所「志度寺」には、閻魔堂や奪衣婆堂…まである。
志度寺は、海に面しており、かつては「死渡寺」と称されて、海を渡る=死にに行く。と解されていたそうです。そこで閻魔様や奪衣婆が死ぬ前の準備として祀られていたようです。
奪衣婆は、「死にに行くのに余計なものは置いていけ。」と着飾った衣などを奪う婆さんらしいが、「余計な財産は残さず使え」と良い仏として祀られているらしい。
お姿をみると、乳丸出しで「ケケケ…」と笑っているような婆さんでした。
道中、夫がパーキンソン病になり、お遍路に出ることが出来ない…と1000円札をシワシワのお婆ちゃんからお接待として渡された。
また、若い女性からシソジュースのお接待を受ける。
さらにタバコ屋のお婆さんからミカンをもらい、最後に、「ジュースでも飲んで吉願してください。」と250円を受け取った。
それぞれのお名前を伺い、お寺について納経の際に「健康」を祈らせていただいた。
あと1つでお遍路を終える…長い旅がようやく終わる。安堵と共に、お接待していただいた方々や地元でLINEを通じて応援してくれた友達、家族、また出会った方達に感謝です。
記:お遍路さん